ヤフオクで落札したバタフライランタンの整備

古いバタフライのケロシンランタンが気にいっています。
バタフライランタンはペトロマックスHK500と同じ形で、
最近のものは鉄製タンクにクロームメッキになっていますがフシミ製作所製を含む古いランタンはタンクとフレーム、ベンチレーターが真鍮製でペトロマックスに次いでしっかりした作りになっています。

落札したバタフライのランタン。

材質についての注記はありませんでしたが下のサイトを参考にさせていただき真鍮製と判断しました。

バタフライランタンの見分け方

届いた商品を早速磁石でチェック…  OK!

真鍮製でメッキもしっかりしているので磨けば簡単にきれいになりますが、

バルブが回らない!

ポンプを操作しても加圧できない、たぶんチェックバルブが詰まっている!

バルブアッシーをばらしてみると燃料吸入パイプが固まったタールのような物質に覆われて真っ黒になっていました。
ポンプのチェックバルブも真っ黒なタールで固まっています。

取り外した部品はパーツクリーナーで洗浄出来ましたがタンクの中を洗浄するのがひと仕事です。

さて、どうしよう…

タンク内部のクリーニング

パーツクリーナーや灯油を入れて振ってみましたがこびりついたタールはなかなか取れません。

真鍮タンクのメッキを剥がすため電解剥離に挑戦した(失敗に終わりました)時の炭酸ナトリウムがたくさん残っていたので使ってみることにしました。

まずタールまみれのチェックバルブを鍋で炭酸ナトリウム溶液でしばらく煮沸してみると溶液が茶色になりこびりついたタールもボロボロになって少しこすると取れることがわかりました。

1.かき集めたナットやワッシャをタンクの中にいれます。

タンク内にはブラシが入らないのでナットやワッシャを入れて振ってきれいにします。

2.タンクの中に炭酸ナトリウムと水を入れて大きめの鍋で煮沸して湯煎します。

直接火にかけるとタンクの底が痛むし沸騰した溶液がこぼれるので湯煎で温めます。
炭酸ナトリウム溶液は洗剤としても使われる強いアルカリ性なのでゴム部品が付いたチェックバルブは取り外しておきます。

3.1時間ほど煮沸した後タンクを取り出し、振ります。

煮沸時間はもっと長くてもかまいませんが1時間ほどで溶液が濃い黒褐色になったので、もうよかろうということで取り出して振って中をきれいにする作業に移りました。

4.少し冷ました後タンクを振って中をきれいにします。

やけどしない程度に冷ましてから厚手のゴム手袋をしてタンクを振ります。

※溶液は強いアルカリ性なので飛び散らないように注意してください。

5.洗浄後のタンク内の様子です

上部にはこびりついたタールが残っていますが底はかなりきれいになりました。

6.加熱して内部の水分を飛ばします。

ドライヤー等でじっくり加熱して内部の水分を飛ばしました。
その後ピカールで磨いてすっかり綺麗になりました。
真鍮製のバタフライはメッキもしっかりしているのでかなり汚れていても磨くと見違えるようにきれいになります。

チェックバルブの補修

チェックバルブにこびりついたタールを除去してポンプで加圧できるようになりましたが、チェックバルブから空気が漏れてポンプノブが押し上げられます。
分解してみるとチェックバルブのゴムパッキンが完全にボロボロになっていました。

手元にあった太さ4㎜のOリングをカッターでカットしてパッキンの代替にしました。
断面をきれいに切るのが難しくて一度失敗しましたが何とか空気漏れしなくなりました。

復活したバタフライ

タンク内をクリーニングし外側も磨いて綺麗になったバタフライです。

 

点火テスト

燃焼系には問題がなく明るく輝くようになりました

ケロシン化したコールマン242と並べて点灯

ペトロマックス型ランタンは242と比べて倍以上明るいですが50回以上ポンプを押す必要があり少し面倒です。
一方、242は20回くらいのポンプ操作で使えますのでとても手軽です。
この二つをセットで持っていけばちょっとしたファミリーキャンプには十分だと思います。

問題発生

2回目の点灯テストで加圧に手間取っている間にマントルが煤だらけになりプチ炎上してしまいました。
穏やかな炎上だったのでホヤが炎で割れないように監視しながら興味深く眺めていました。

※原因はノズルニップルが緩んでいたせいでした

横に炎が噴き出しているのはマントルが破れているのではなく、マントルに張り付いた煤が剥がれたせいです。

後から気が付いたのですがチェックバルブかプレヒートバーナーからエアが漏れて圧力が上がらなかったのも一因と思われます。
再度整備する必要がありそうです。

原因判明

翌晩チェックバルブとプレヒートバーナーの整備をおこない、ポンプアダプターを取り付けて素早く加圧できるようにしてから点火テストしても同じ症状でマントルが煤まみれになりました。

以前金球杯を買ったショップの方に電話で燃焼不良のサポートをして頂いて

ベンチレーターを外して燃焼させると不具合の原因が判ることがあります

というアドバイスを貰ったことがあります。

それを思い出してベンチレーターを外して様子を見るとノズルのあたりから白い蒸気のようなものが立ち昇っています
消灯し冷めるのを待ってからノズルを締め直して再度点火すると正常に輝き始めました(^-^;

マントルの周りに煤がついているのはノズルから漏れがある状態で点火したせいです。
一度付いた煤なかなか取れないものでこれから1時間後にやっと真っ白なマントルになりました。

整備でジェネレータを取り外し針が曲がっていたパーツを交換してニードルを締めた直後に点火したときには正常だったのに翌日の再点火で漏れが発生するとは…

燃焼時の熱で膨張し消灯後に温度が下がって収縮したせいで締め付けの甘かったノズルが緩んだのでしょう。
整備してチェックしたから問題ないはずと決めつけないで緩む可能性のあるところは再度増し締めをする必要がある、 と勉強になった一件でした。

金球杯のパーツを取ってバタフライのチェックバルブに使用

左がバタフライのチェックバルブで右が金球杯のものです、バタフライには鉛のパッキンがありますが金球杯のチェックバルブにはパッキンが無くて思いっきり締め込んでありました。

金球杯のポンプが重い原因

金球杯のポンプはやたら重くて2Kgcmの圧にするのに4Kgcmの圧が必要です。
チェックバルブをばらしてみてその原因がわかりました。
弁を押さえるバネがやたらに長くて固いのです、この方がエア漏れのトラブルが減るのは確かですが使い勝手を考量していませんね。

金球杯のポンプ部

ポンプの口も凹んでいます、どこかにぶつけた訳では無く新品の時からこうでした。

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