ファーウェイ副会長逮捕はトランプ大統領にとって好機

カナダが中国のファーウェイ孟晩舟副会長を逮捕した事件で中国が怒り狂っています。
米・カナダは「裸の王様」=ファーウェイ問題で非難-中国
逮捕容疑は表向き対イラン制裁違反の詐欺容疑となっていますが、これをまともに受け取る関係者はいないようです。
 中国内の外国人に対する別件逮捕がお家芸の中国が「お前が言うな」のブーメランも意に介さず猛り狂って抗議しているのが裏に別の大きな問題があることを示しています。

ITによる中国世界制覇の野望を担うファーウェイ

ファーウェイは人民解放軍とも関係が深く覇権拡大を目指す中国の国策企業とみられています。
ファーウェイのスマホは“危険”なのか 「5G」到来で増す中国の脅威
ファーウェイの通信機器にスパイ用のチップが内蔵されていたという報道があり、具体的な詳細を示すニュースソースは見つけられませんでしたが技術的には可能なことで中国共産党の意のままに動くファーウェイなら当然やるだろうと思われています。

問題を大きくし解決を遅らせることがトランプ大統領の狙い?

トランプ大統領が孟晩舟副会長の保釈に関して政治的介入を行うというニュースや、カナダが政治的介入は無いというニュースがあり情報が錯綜しています。

引き渡し可否、政治化せず=ファーウェイ事件で司法介入拒否-カナダ外相
2018年12月15日07時14分

カナダのフリーランド外相は14日、「司法手続きは政治と無関係だということで(米側と)一致した」と強調した。

カナダ、米中の板挟み=ファーウェイ副会長引き渡し問題
2018年12月15日18時01分

 カナダ政府は孟氏の逮捕当初から、事件への政治の関与を一貫して否定してきた。しかし、そこに水を差したのがトランプ氏の「介入」発言だ。

同日に発表されたこの二つのニュースを見ると、この件を出来るだけ大問題にし解決を遅らせるのがトランプ大統領の狙いであり、中国が猛り狂って抗議してくれることは大歓迎と考えている可能性が高くなります。

2012年から米国でスパイ問題を起こしていたファーウェイ

 12年には米連邦議会が52ページに及ぶ報告書を発表し、ファーウェイと、中国の別の通信機器大手である「ZTE」が、米国の安全保障への脅威であると主張。米企業にこれらの会社の製品を使用しないよう促した。当時から、ファーウェイは中国共産党や人民解放軍との関係性が疑われ、米国の企業や個人を狙ってスパイ行為をしているとの指摘があがっていた。

2018年に入って米政府と関係機関でファーウェイ機器に対する使用禁止が法制化されました。
 そして米国と同盟関係にある国々でも政府関係ではファーウェイ機器を使用しないようにという要望を出しています。
 ただ、これは民間での使用を制限するものではないためファーウェイが西欧諸国のマーケットを侵食するのを食い止めることは出来ませんでした。

ファーウェイの副会長逮捕がファーウェイ機器のスパイ疑惑の広告塔になった

トランプ大統領の狙いはファーウェイ副会長の逮捕を通じてファーウェイのイメージダウンを図り、ファーウェイ機器にはスパイチップが組み込まれているという情報を拡散してファーウェイのシェア拡大を食い止めることではないでしょうか。
 通信機器のセキュリティ技術開発では生き馬の目を抜く競争が繰り広げられていて、社会的に重要な地位にある人ならセキュリティ上の不安に対して敏感です。。
 西欧諸国にとっては中国自体がセキュリティホールみたいなものですし、中国政府に関連する企業の製品にこのような形でケチがついた以上通信網で重要な部位での使用は徹底的に避けられることになるでしょう。
 日本でも早々に政府関係機関ではファーウェイ機器を使わないという方針を発表しました。
 日本の場合、この政府発表でファーウェイ製品は純粋な個人用スマホ以外売れなくなると思います。

ファーウェイ機器のスパイチップは中国共産党の足枷になる?

実際にファーウェイの通信機器にスパイチップが組み込まれていたとしたらそれが将来的に中国共産党の足枷になる可能性があります。
 長期的に見て、機器に組み込まれたスパイチップは中国共産党だけが使える訳ではありません。
 スパイチップにアクセスするためのパスワードやプロトコルさえ解析できれば誰でもファーウェイ機器に侵入して情報を盗めるのです。
 さらに機器に内蔵するスパイチップは組み込めるソフトの量が限られていることから一般的なセキュリティシステムに較べて解析が容易であることも特徴です。

実際にファーウェイ機器にスパイチップがあるとしたら既に米国の情報機関はその解析に着手しているかとっくに解析済みでその結果をファーウェイを排除するための情報としてリークしたと考えるのが妥当です。

西側陣営の通信網からはファーウェイの機器が排除されますが自国内でも情報網の監視と弾圧を続けて行かないと政権が倒れる可能性がある中国ではスパイチップを組み込んだファーウェイ機器が多数使われ続ける筈です。

そうすると、西側陣営から見れば中国に対するスパイ行為の手段を中国自ら用意したことになり、中国が自分が仕掛けた罠に嵌るということになります。

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