米朝交渉決裂でほくそ笑むトランプ大統領

泣きそうな金正恩と気難しい顔のトランプ大統領(写真:Leah Millis/ロイター)

ベトナム・ハノイでの米朝首脳会談は物別れに終わる結果となりました。会談終了後の写真を見るとトランプ大統領も不満げな気難しい顔をしていますがまるで叱られて泣きべそをかいているような金正恩の顔が結果を雄弁に物語っています。

決裂のニュースが伝えられた日本では、首相官邸や外務省は「間違った合意をするのであれば何も合意しないほうがましだ」という意見を繰り返し、安堵の様子で交渉決裂歓迎のコメントを発表しました。

米朝首脳会談で北朝鮮の非核化が進展し朝鮮半島に平和が訪れるとお花畑的希望を抱いていた韓国大統領府をはじめとする韓国メディアや日本の反日マスコミは落胆した様子を隠せませんでしたが、金正恩は大きな痛手を受けたとしながらもトランプ大統領も交渉決裂で痛手を負ったと報道しました。

トランプ大統領の手のひらで踊らされた金正恩

大方のメディアが「政治的に追い込まれたトランプ大統領が北朝鮮に無用の譲歩をして北朝鮮が核保有国としての足場を固めるのではないか。」と報道していました。しかしトランプ大統領にとって功を焦って北朝鮮に譲歩することは歴代の米国大統領以上の失政を意味するため用意周到に北朝鮮の分析を進めて金正恩はもちろん、北朝鮮のスパイに成り下がった韓国にも甘い言葉だけを振りまいて会談に臨んだものと思われます。

経済制裁で窮乏する北朝鮮で余裕を失いつつある金正恩と、朝鮮半島統一の夢に浮かれて韓国滅亡への道をひた走る文大統領にとっては青天の霹靂となり、トランプ大統領には予想範囲の結果でむしろほくそ笑んでいると思われます。

米国にとって交渉合意だけが北の核を潰す道ではない

韓国と日本のお花畑メディアは平和的交渉以外に北朝鮮の核を無くす方法は無いと信じ込んでいるように見えますが、トランプ大統領がこれまで何度も言及したように米国にとっては軍事オプションで北の核を潰す方法も実現可能な選択肢なのです。

北朝鮮が殻に閉じこもって口先だけで米国への罵倒を繰り返すだけでは軍事オプションを行使する理由付けとしては弱く米国への国際的批判が高まる可能性がありました。

退路を断たれ暴発の可能性が高まる金正恩

経済制裁の締め付けで北朝鮮国内での立場が危うくなった金正恩は焦りと文大統領や日韓のメディアに踊らされて完全な失敗の可能性は考えずに今回の首脳会談に臨んだのでしょう。

北朝鮮から列車を使って4日近くかけてハノイまでたどり着いたあげく写真の表情が物語る無様な結果となった金正恩にとって取りうる選択肢は残り少なくなってきました。トランプ大統領が堂々と軍事オプションを行使できる暴発の可能性も高まっています。