ランタンの色はマントルで決まります
上リンクのように使えるランタンを捨ててまでランタンの色にこだわる人もいるようです。
燃料系のランタンではマントルの選択で発光色が変わりますよというお話です。
左:ケロシン化コールマン285デュアルフューエルツーマントルランタン
右:ケロシン化コールマン286シングルマントルランタン
左のランタンはLEDランプでいう電球色、右のランタンは昼光色とはっきり違います。
これはランタンの種類による差ではなく使用するマントルの違いによるものです。
目次
ランタンのマントルの温度と色の関係
車のライトを選ぶときに色温度というものがあり
5000K≒4700℃なら昼光色、6500K≒6200℃なら青白い光、3000K≒2700℃ならオレンジっぽい色の光になります。
私も色温度≒マントルの温度だと思っていたのですが考えてみると「ランタンのバーナーでそんな温度を出すのは無理だろう!」ということに思い至りました。
普通のガストーチの最高温度は2000℃に達するものも一部ありますが殆どは1300℃前後で鉄を溶断出来る酸素アセチレンバーナーで3000℃です。
もしマントルの温度が3000℃以上に達するのならばバーナーの火口が溶けるか蒸発してしまいます。
上のリンクに鋼鉄を加熱したときに1000℃で黄色く輝き1300℃を超えると眩しくて直視できないとあります。
色温度とこの加熱した鋼鉄の温度の差について理論的に説明してあるサイトは見つかりませんでしたが感覚的には加熱した鋼鉄の温度と色の関係がマントルの温度と色の関係に近いような気がします。
ランタンの種類や状態だけが色を決める訳ではない
上の2つが比較に使ったマントルです。
左はルモタイプ提灯型のマントルで、右はソックス型のマントルです。
左は繊維が太く右はストッキングのような細い繊維で出来ているのが判ると思います。
左はオレンジ色の発光色、右のマントルは白い発光色で左のマントルよりも明るく輝きます。
マントルによる発光色の比較1
上写真左のランタンは右のマントルを装着したケロシンタイプのオールドコールマン249です。
このランタンは小ぶりですがとても明るく輝くランタンで、マントルが真っ白に明るく輝きます。
右のランタンは左のルモタイプマントルを装着したケロシン化コールマン286です。
特に暗くしている訳ではありませんが249と較べると明るさが落ちるためか色の違いがはっきりと見て取れます。
マントルによる発光色の比較2(マントル入れ替え)
上は249に左のマントル、286に右のマントルを取り付けてどちらも圧力を最大に上げた状態です。。
249は明るいため多少白っぽくなっていますがやはりオレンジっぽい色になっており、286は真っ白に輝いているのがお分かりいただけるでしょう。
このように同じランタンに違うマントルを使うだけでランタンの調整だけでは埋めきれない色の差が発生します。
同じランタンに白く発光するマントルをつけると圧力を下げても暗くなるだけでマントルの色に大きな変化は無く、
オレンジ色に発光するマントルの場合は圧力を目一杯上げて明るくしても真っ白い色にはなりません。
これはランタンのバーナーが発生する温度は同じでもマントルによって表面温度に違いが生じるためではないかと思っています。
マントルの繊維の太さがランタンの色を決める
などと断定的に書きましたがこれは私の推測に過ぎません。
最初はマントルの形と大きさが明るさと色を決めると思っていました
ランタンのバーナーが発生する熱量とバーナーで熱せられるマントルの関係でマントルの温度が決まりマントルの色が決まると。
しかし上の結果を見るとマントルの繊維の太さがランタンの色に大きな影響を与えていると考えられます。
つまり、細い繊維のマントルではマントル内部の高温がそのままマントル表面に伝わり、マントルの繊維が太いとマントル内側の温度が高くても繊維の断熱効果でマントル表面の温度が下がってしまうのではないかと推測しています。
この推論が当たっているか否かは別としてマントルの種類で発光色が変わるのは事実なのでお好きな色に合わせてマントルを交換してみてはいかがでしょうか。