ケロシンランタンプレヒート用ガストーチ

ケロシンランタンの利点

ケロシンランタンは燃料価格が安いという点ばかりが強調されます。
しかし、灯油の最大のメリットはガソリンに較べて安全性が高いということではないでしょうか。

ランタンを取り扱う場合燃料漏れの可能性は常に考慮しておく必要があります。
ガソリンは漏れたら爆発的引火の可能性がありますし、燃料の充填も石油ストーブ等火気のある場所でおこなうことは出来ません。
キャンプ場ではテントの外で注意して使えば良いことですが、家でのメンテナンスも屋外でやらなければならないとなるとメンテナンス自体が億劫になってしまいます。
アメリカではガソリンランタンが主流となりヨーロッパのメーカーはケロシンランタンがメインとなっているのは広い庭や大きなガレージが普通にあるアメリカとコンパクトな街並みが多いヨーロッパの環境の違いによるものではないでしょうか。
住宅の広さががアメリカよりヨーロッパに似ている日本にはケロシンランタンの方が向いていると思っています。

ケロシンランタンの弱点プレヒートを簡単にする

ケロシンランタンはプレヒートが必要でプレヒートに失敗すると炎上して煤まみれになってしまうことだけが欠点です。
プレヒートの面倒さを楽しむことは出来ますが簡単にプレヒートをおこなう手段があればそれに越したことはありません。

ペトロマックスのランタンにはプレヒート用バーナーがついていてプレヒートが簡単に出来るようになっています。
ただ、ペトロマックスのプレヒート用バーナーは轟音の発生と火力が強すぎるためにホヤにダメージを与える場合がありバーナー使用で圧力がかなり下がるため再加圧が必要となるので私のように専らアルコールでプレヒートをおこなう人もいます。

アルコールでのプレヒートは2~3分の時間がかかり、プレヒート不足のまま焦って点火すると炎上して煤まみれになることもあります。

そんなこんあでしばらく前からプレヒート用のガストーチを自作して使っていて結構便利なのでその特長作り方を紹介したいと思います。
プレヒート用トーチに必要なのは火口が細くランタンの点火口から差し込めることとランタンを傷めないように柔らかい炎であることです。
市販のガストーチでランタンの点火口に入るほど細い火口のものは見つからないので下のトーチをベースに自作しました。
他に使った材料は外径5㎜の銅パイプとダイソーで買ったステンレス網の茶こしです。

プレヒート用トーチの特長

1.アルコールはプレヒート専用ですがCB缶を使ったガストーチならばガスバーナー等他の火器とも兼用できるので余計な燃料を用意しないで済みます。

2.代火力でジェネレータを狙って暖めることができるのでプレヒートの時間が短縮され、点火を失敗する確率が減ります。
アルコールの場合は燃料が無くなる寸前でバルブを開くので点火に失敗すれば一からやり直しですが、プレヒート用ガストーチを使う場合は完全に点火したのを確認してからガスを止めれば良いので炎上の可能性が大幅に減るのです。

プレヒート用トーチの構造

点火装置のないシンプルなガストーチの先端のノズルを外し、外径5㎜の銅パイプを差し込んで細い火口とし、空気取り入れ口をステンレス板で巻いて柔らかい炎に調整できるようにしました。

ベースとなるガストーチはamazonでは1000円(数日)、aliexpressだと500円以下(2~3週間)で購入することが出来ます。

細い火口を取り付ける

このガストーチは点火装置のあるものに較べて火口の径が小さいですが、ランタンの点火口に差し込むには太すぎます。
火口はねじ込み式で簡単に外れ、5㎜の銅パイプがきつめに差し込めるのでプライヤーで強く差し込めば簡単に固定出来ます。

空気を絞って炎を柔らかくする

銅パイプを差し込んだだけではバルブを少し多めに開けると炎が飛んで消えてしまいますので銅パイプの先端に巻いた茶こしのステンレス網を差し込んで炎が広がるようにしました。
また、炎の温度が低くなるようにトーチ根本の空気穴に茶こしから切り取った薄いステンレス板を巻いて空気が絞れるようにしました。

火口の向きを変える

市販のガストーチは火口がバルブの反対側に曲がっていて使うときにCB缶の切り欠きが上に来るようになっています。

プレヒート用トーチの場合は火口を斜め上に向けて使うのでその状態でバルブのつまみが上(CB缶の切り欠きが上)になるように火口をひねって向きを変えます。
火口とバルブの取り付け部分もねじ込み式なので少し力を加えると簡単に回せると思います。

(写真)
空気穴にステンレス板を巻いて空気を絞っています、先に巻いたステンレス線はランタンの穴に差し込んだ時のすべり止めです。

空気量の調整と炎の状態

プレヒート用トーチでは普通のガストーチのように完全な青火で温度の高い炎はランタンを痛めるため望ましくありません、ターボでないライターのように温度が低く柔らかい炎が適しています。
そのために根本の空気穴をステンレス板かアルミテープで巻いて空気を絞る必要があります。
完全に空気穴を閉じてしまうと炎の温度が低すぎてプレヒート時間が長くなり煤も発生するので炎の様子をみながら空気を絞ります。
私はダイソーで買った茶こしの薄いステンレス板を切って巻き付けることで空気調整をしています。

炎の写真

炎が広がっているのは銅パイプの先端にステンレスの網を丸めて詰め込んでいるためです。
素通しのパイプだとガスの勢いが強すぎて少しバルブを開くと火が飛んで消えてしまいます。
先端の構造については自作ガスバーナーで検索するとたくさんみつかる情報を参考にさせていただきました。

この状態で実用には不足ありませんが出来ればもう少し手を加えてガスバーナーのような綺麗な炎に近づけたいと思っています。

火口の写真

茶こしの細かいステンレス網を切って丸めたものを先端に押し込んでいます。
銅パイプを切り割って開いているのは、炎が拡がるかと思ってやってみただけで効果のほどは定かではありません。

プレヒート用トーチの使い勝手

このプレヒート用ガストーチを使い始めてからプレヒート時間が30秒程度で済み、とても簡単になりました。
アルコールによるプレヒートではアルコールが無くなりかけたタイミングでバルブを開くため一度失敗すると炎上が収まるまで待ってからアルコールを追加して再点火しなければなりません。
プレヒート用ガストーチを使う場合は完全に点火してからガストーチのバルブを閉めれば良いため、プレヒート不足でランタンのバルブを開けて炎上気味になってもランタンのバルブを閉めてもうしばらくプレヒートを続ければ良いので点火の失敗による炎上でベンチレーターが煤まみれになることが無くなりました。

プレヒート用のアルコール皿はすっかり使わなくなってしまいましたが、非常用として又ケロシンランタンのシンボルとして残しています。

 

 

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