最近韓国メディアに文政権批判の社説・コラムが増え、興味深く読んでいます。
日本ではまるで中韓のメディアではないかと思うほど過激な調子で政権批判をしても咎められることがないため、中学生でも書ける程度の文章で同じ内容ばかりの記事で溢れていて真面目に読む気になりません。
一方韓国では直接的な言葉で政権批判すると弾圧されるので遠回しな表現が多く、裏を考えながら読むと面白くて頭の体操になります。
今朝の朝鮮日報には文大統領を批判するコメントが特に多く、4つも掲載されていました。
文政権批判のコメントがこんなにまとめて載っていたのは初めて見ました。
文大統領の支持率がデッドクロスした(初めて不支持が支持を上回った)ということもあり、韓国では文政権に対する不満が爆発寸前まで高まっているように感じられます。
【コラム】「文在寅外交って何なの? 素人じゃあるまいし」2018/12/23 05:08
【コラム】朴恒緖監督に合わす顔ない韓国外交2018/12/23 05:07
【コラム】文在寅政権の「善の政策」が経済的弱者を締め出す2018/12/23 05:06
【コラム】口先ばかりの「正義」を唱える文在寅政権 2018/12/23 05:05
【萬物相】韓国20代男性の文大統領支持率12/23
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体面ばかり気にしているレミングの群れ
【コラム】「文在寅外交って何なの? 素人じゃあるまいし」から
ところが、金正恩委員長の年内答礼訪問は実現不可能となりそうな雰囲気だ。「来ないかもしれない」と言われた時は「困ったような振りをしているんだな」と思ってニヤリと笑ったが、「本当に来ない」と言われると、あ然としてしまう。先週末の夜、一緒に過ごした外交・安保専門家たちも首をかしげた。答礼訪問が不確実な状態のまま、韓国政府があれほど無謀にハンドルを切っていたというのが信じられないからだ。素人のふりをしているのかと思っていたが、正真正銘の素人だったのだ。だから余計に「一体何なの?」という言葉がまた口に出てしまう。
www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/21/2018122180088_2.html
心配は心配を生む。トランプ大統領は答礼訪問中止の知らせを聞いてどう思ったのだろうか。「『金正恩委員長の答礼訪問を歓迎する』と一言頼むと言っていたのに、外れだったね。プレジデント・文(ムン)、お粗末な人だ」。
このコラムは金正恩のソウル答礼訪問が空振りに終わりそうなことで文大統領を批判する内容です。
驚いたのは保守派に近く世界情勢に詳しいはずの朝鮮日報の記者でさえ金正恩の答礼訪問を文政権の功績と受け止め、期待していたことです。
日本から眺めていると朝鮮半島統一という名目の北朝鮮による韓国侵攻が実現すればどれだけ酷い混乱が発生するかと悲観的結果しか想像できません。
それをこのように楽観的に考えているのであれば、金正恩が易々と韓国を乗っ取る日は案外近いのかもしれません。
トランプ大統領に言及しているくだりで、トランプ大統領が答礼訪問を歓迎しているとの思い込みと、「お粗末な人だ」と驚くほど文大統領を評価しているとの勘違いは想定内でした。
【コラム】「文在寅外交って何なの? 素人じゃあるまいし」から映画『ゴッドファーザー』の主人公ドン・コルレオーネは、「麻薬ビジネス」を提案された場で軽口をたたいた長男を呼び出し、「ファミリー以外の人間にはお前が何を考えているのか絶対に言ってはいけない」と厳しく警告した。自分の意図を相手に気づかれないようにしろという教訓が通用するのはマフィアの世界だけではない。自分の持ち札ばかりを先に明かせば交渉が不利になる。また、交渉が自分の意図とは異なる結果になった時、体面の問題も生じる。大韓民国の大統領は金正恩委員長の答礼訪問やローマ法王訪朝にこだわって徒労に終わった。「対北朝鮮制裁解除によって非核化を促進する」という構想を掲げて出発した欧州歴訪では、「完全に非核化されるまで制裁を維持する」という共同宣言文が採択された。原発受注のため行ったかのように説明していたチェコ訪問では、原発の話を切り出すこともろくにできなかった。国際舞台での度重なる文在寅外交の素人ぶりに、韓国の国民も顔を赤らめている。
金昌均(キム・チャンギュン)論説主幹
交渉の場では自分の意図を気づかれないようにしろと言うためにゴッドファーザーのせりふを引用してあるのは、諜報戦にたけた中国に振り回されてきた韓国の知恵ではないでしょうか。
言葉面だけを捉えて「安倍ガー 」を連呼することしか出来ない日本のマスゴミにも少しは見習っていただきたいと思います。
それはそれとして、「 交渉が自分の意図とは異なる結果になった時、体面の問題も生じる。」とか「文在寅外交の素人ぶりに、韓国の国民も顔を赤らめている。」とか、体面ばかり気にしています。
レミングのように突っ走る韓国の目前には断崖絶壁が迫っています。
群れが転落し始めても体面ばかり気にしていられるものでしょうか?
不遜ですが興味が湧きます。
朝日新聞の記者ならどう書くでしょうか
米ニューヨークのある病院で手術による死亡率が上昇し、異常な事態となった。経営陣は苦心の末、手術中に死亡した患者の数が一定水準を超えた場合、担当医師に罰金処分を与えることにした。結果は成功だった。罰金処分を受けた医師は全く出なかった。問題は間もなく判明した。医師が罰金を支払わないため、重症患者については手術を行わない選択をしたのだ。結局患者は手術室ではなく、病室で死んでいった。数年前に出版されたフランスの経済学者、マヤ・ボバーレの本「インセンティブと無賃乗車」に登場する話だ。
このままでは最低賃金引き上げは非熟練労働者を雇用の場から追い出す事態を招くだけだ。ニューヨークの病院で手術を受けられず、病室で死んでいった患者のように、非熟練労働者は誤った政策のいけにえになりつつある。
扈景業(ホ・ギョンオプ)産業2部次長
善の政策とは何かとおもったら最低賃金引き上げのことでした。
また、フランスの経済学者の論を借りて遠回しに文大統領の政策を批判しています。
朝日新聞なら 「愚かな文在寅が経済的弱者が死においやった」というタイトルで「許されない大罪」「責任を取れ」「即刻退陣を」などの罵詈雑言をこれでもかというほど並べるところでしょう。
朝日新聞の記者さん政権相手に駄文を好き勝手に書き散らすことの出来る日本で良かったですね。
日本にもこのような政権がありました
文在寅(ムンジェイン)政権には、「自分がやったことはロマンス、他人がすると不倫」(他人が行えば非難する行為も自分が行うときは合理化する態度をいう)という良心にそぐわない行為があまりにも多く、つい数日前のことでさえ忘れてしまうほどだ。
文在寅大統領は野党時代に政権のテレビ局掌握について「やり過ぎるにも程がある」と発言した。しかし、政権を取るやいなや、他政権にもまして執拗(しつよう)にテレビ局を掌握した。監査院は、1カ月に数万ウォン(約数千円)の法人カードの使用内訳を問題視し、テレビ局社長を追い出した。
民主党は野党時代の聴聞会で飲酒運転の前歴者を「犯罪者」とし「ここが米国なら聴聞会の対象にすらなれなかった」と叱咤(しった)した。ところが、自分たちの長官候補による飲酒運転の前歴が発覚すると「事故を起こしたわけではない」と矛先をかわそうとする。大統領が飲酒運転を「殺人行為」と発言した1カ月後、政権の最側近は大統領府の前で泥酔状態で運転した。同政権が指名した憲法裁判官と最高裁判事は自分も偽装転入しておきながら、他人には懲役刑を下した。参与連帯上がりの元金融監督院長は、他人の1万2700ウォン(約1200円)の法人カードの使用は問題視しておきながら、自分は被監機関の金で観光旅行さながらの海外「出張」を何度も繰り返した。
文大統領は、大統領府の民政主席室特別監査班違法事件が発覚すると「正義の国を建国する」と発表した。民主党でさえ民政主席が更迭されるものと予想していたが、実は正反対で、民政主席の再信任とより大きな権限が付与された。これが文大統領式の「正義」だ。驚くべきことは、これらの人々は心から「正義にのっとって行動している」と固く信じ込んでいることだ。
楊相勲(ヤン・サンフン)主筆
日本でも政権を獲るや否や似たようなことをやっていた政党がありました。
政党名が似ているような気がするのは偶然ですよね。