標準致死率がわかれば死者数から感染者数が推定できる
正確な感染者数が把握できる集団があれば標準的な致死率がわかります。
ウイルスによる致死率はウイルスの種類によってだいたい決まっています。
致死率の変動要因は年齢・健康状態・遺伝子特性など対象者の特質によるものと医療体制がどれほど整っているかという外部環境で、そのどちらも統計的に見積もることができます。
ダイヤモンドプリンセスのデータから日本の潜在的感染率を推定する
ダイヤモンドプリンセスのケースでは全乗員の動向が正確に把握されていますから、下船時の検査が陰性であったとしてもその後のトレースで感染者であることは把握されます。
つまりダイヤモンドプリンセスのケースから得られる致死率は現在のところ世界で最ももっともらしいデータと考えられます。
2020年2月29日13:00現在の標準致死率
6 ÷ 705 = 0.0085 ≒ 0.8%
現段階で感染者705名死者6名と発表されていて乗客には高齢の方が多いことから致死率が多少高めになることを考慮して下の桁を切り捨てて標準致死率を0.8%として潜在感染者数の推定をおこないます。
2020年2月29日 13:00の国別感染者数・死者数・推定感染者数
JOHNS HOPKINSリアルタイム感染者数マップから
推定感染者数(致死率逆算感染者数) = 死者数 ÷ 0.008
※前の投稿ではは地域別感染者数を集計しましたが、チャイナの公表値は信用できず無意味なので国別集計に変更しました。
順位 感染者数、死者数、推定感染者数
第1位 79,251人、2,835人、—人 China(チャイナ) ???
第2位 2,931人、13人、1,625人 South Korea(韓国) ↑↑↑
第3位 889人、21人、 2,500人 Italy(イタリア) ↑↑
第4位 705人、6人、 750人 ダイヤモンドプリンセス
第5位 388人、34人、4,250人 Iran(イラン) ↑↑
第6位 234人、5人、625人 日本 ↑
第7位 96人 、0人、—人 Singapore(シンガポール) ↑
第8位 94人 、2人、250人 Hong Kong(香港) ↑
第9位 64人 、0人、—人 US(米国) ↑
第10位 57人 、2人、250人 France(フランス) ↑
国別推定感染者数
チャイナ
武漢の状況からわかるようにチャイナの公表値は全く信頼がおけませんので推定感染者数は不明です
韓国
韓国は感染者死者数共に急増しパニック状態に陥っているようですが推定感染者数は公表値と大きく乖離していません。
大騒ぎにはなっているもののほぼ正確に感染者を見つけていると考えられます。
上の表の中で唯一推定感染者数が発表値を下回っていますが最新のニュースによると17番目の新型肺炎関連でお亡くなりになったかたがあるそうなので、それを基にした2,125名の方が正しそうです。
それでも推定感染者数より発表数が多いのは大慌てで検査した結果、感染していない人を検査ミスで感染者にカウントしている可能性があります。韓国ならさもありなんと納得できるのが笑えるというか、いやいや、お気の毒な状況です。
イタリア
イタリアの推定感染者数は公表値の3倍近くなっています。
まだ検査体制が追い付いていないのでしょう。
ダイヤモンドプリンセス
ダイヤモンドプリンセスを基準にした計算ですが、年齢構成の偏りを考慮して致死率を切り捨てているので推定感染者数が多少多くなっています。
イラン
イランではイタリア以上の死者が発生しています。
推定感染者は発表値の10倍以上いると考えられますし、治安の悪さを考慮に入れると死者もさらに多い可能性があります。
日本
日本の推定感染者数は625人です。
発表値の3倍近くありますが誤差を考慮しても最大1,000人程度でしょう、来日中国人と人口の多さを考えると意外に少ない数値と言えます。
日本で大きなパニックが発生していないことと衛生状態の良さが有利に働いているのかも知れません。
シンガポール
いちはやく厳しい処置を取ったシンガポールで死者が発生していないのはさすがです。
香港
推定するには誤差の大きい数値ですがこれから感染者の発見が拡大するきざしなのかもしれません。
米国
検査が始まったばかりで不明な状況です
フランス
香港と同じく推定するには誤差の大きい数値ですがこれから感染者の発見が拡大するきざしなのかもしれません。