工事は未定でも着工式を開きたかった文大統領
南北鉄道連結工事の着工式が国境から5Kmの北朝鮮開城(ケソン)板門(パンムン)駅で韓国側100人、北朝鮮側の出席者100人で開かれました。
ただし小規模な着工式を開催しただけで工事のめどは立っていないそうです。
蓋を開けて見れば雀の涙の北朝鮮人道支援見直し
中央日報の記事 南北鉄道着工式は制裁の例外に…韓米が差し出した手、北は握るのか 2018年12月22日12時32分は米国が経済制裁において大幅な譲歩をしたようなニュアンスで書かれていました。
南北鉄道・道路連結および現代化の着工式が南北が合意した通り26日に北朝鮮開城(ケソン)板門(パンムン)駅で行われる。また、来年春に南北が共同で始める韓国戦争(朝鮮戦争)戦死者遺骨発掘事業、インフルエンザ診断キットおよび治療剤タミフルの対北朝鮮支援も可能になった。21日に韓国外交部で開かれた韓米作業部会(ワーキンググループ)第2回会議で、着工式行事に必要な物資のうち油類など対北朝鮮制裁対象品目に対して制裁の例外を認める手続きを終えたからだ。
中央日報
韓国メディアが「韓米作業部会で…制裁の例外を認める手続きを終えた。」などと大袈裟な表現を使っているせいで日本のネットでは「なんでこのタイミングで制裁を緩和するのか。」との反発が起きていました。
このタイミングでなぜ米国が北朝鮮への人道支援を見直すのかby 新宿会計士
インフルエンザ用ワクチンは換金性も少く、米国としても北朝鮮を交渉に誘い出すための最小限の譲歩として手頃と考えたのでしょう。
一方、「着工式行事に必要な物資のうち油類」と文章は大袈裟ですが、実際に認められる油類として考えられるのは、行事は屋外で暖房用の燃料は必要ないため国境から5Kmの距離を運行するための列車の燃料くらいしかありません。
雀の涙ほどの支援物資を韓国メディア得意の誇大表現で米国の譲歩を強調して見せたというところでしょう。
人道支援の見直しといいながら韓国の監視を強める米国
韓国は11月11日にマツタケの返礼だと言って北朝鮮にみかん200トンを軍用機で送りました。
韓国メディアからも「みかんだけ送ったとは思えない。」との指摘がありましたが、米国も贈り物の内容について不審に思っている筈です。
米国が人道支援見直しの名目で韓米作業部会を設置したのは「目を離すと文大統領は何をしでかすか判らない」と思って韓国監視のための対策だった可能性があります。
金正恩を交渉に引っ張り出すための餌という側面もありますが、作業部会を設置した以上何もしないのはまずいので実質的な経済制裁に影響のないレベルの見直しを小出しにしているだけかも知れません。
工事未定の南北鉄道着工式しか支持率維持の手段が無くなった文大統領
朝鮮日報から 韓国野党「南北鉄道着工式は文大統領の支持率操作用イベント」12/26 という記事が出ています。
日本人から見ると北朝鮮から侵略を受けるリスクが高まるとしか思えない南北鉄道着工式で 支持率が維持できるというのが不思議ですが、韓国野党が言っているのですからある程度の効果があると思われているのでしょう。
南北鉄道着工式が開かれた後で文大統領の支持率が逆転
文大統領の期待に反して着工式後の調査で文大統領の不支持が支持率を上回ってしまったようです。
文大統領「不支持」が「支持」逆転 就任後初めて12/27
12月後半になって韓国メディアで文大統領を批判する記事が急に増えました。
日本のネット民がほぼ100%文大統領を支持しているのと対照的です。
文大統領がローソクデモで引き摺り下ろされるのが早いか、韓国から北朝鮮のメッセンジャーがいなくなる前に金正恩が南朝鮮侵略行動を起こすのが先か、朝鮮半島情勢が風雲急を告げてきたようです。